わらわら出てくる弱者たち。
下手な鉄砲数打ちゃ当たる?
んなわけないの、わかるでしょ。
Dent De Lion
ザシュ――‥
ぷしゃーー
ドスっ。
「ぐはっ…!」
ぴちゃ!ぴちゃぴちゃ。
血で顔が汚れた。
もちろん自分のものじゃない。
数秒前まで、人であったソレのものだ。
今や事切れてピクリとも動かないソレの…
「火と 「五月蝿い!」
ドスっ――‥!
「うっ……が、はっ!」
「弱いくせにしゃしゃるなよ」
シャッ!!
‥ああ、なんて呆気ないんだろう。
また一つ、動かなくなった。
首を切り落とせば、身体は痙攣し、
目に突き刺せば、脳を貫通して頭蓋骨に突き当たり、
手足を切り落とせば、痛みに悶える。
そして最後は、死に至る。
ああ、なんて呆気ないんだろう!
なんて脆く、なんて弱い!
忍なんて口ほどにもない。
こんなものにナルトはなりたいというのか?
うちのような一般人にも負けるような奴らに?
「……化け物め……」
「化け物?」
死に損ないの言葉。
復唱して声に出してみると、実感が沸いてきた。
嗚呼、確かに化け物かもしれない。
一般人では、ないのかもしれない。
だって‥‥
「人を殺す事に、抵抗を持っていないんだから」
プシャー!!という音とともに、勢いよく血潮が飛び散り、男の首が宙を舞った。
驚いた。
やっぱり、何も感じない。
でも…急に怖くなった。
人を殺したからじゃない。
殺める力を手に入れていたからでもない。
人を殺すことに抵抗がなかったからでもない。
自分の姿を見下ろすと、爪先から胸の辺りまでどす黒く染まっていた。
血を浴びすぎた、この身体。
この分だと顔や頭に至るまで全身血塗れになっていることだろう。
こんな姿を見たら、ナルトはどう思うだろう?
怖がるかな?
逃げ出すかな?
ああ、でも優しいあの子のことだ。
きっと真っ先に心配してくれるだろう。
まさか全部返り血だなんて、思わないだろうし。
「…知られてしまったら、その時はその時だ」
とにかく、ナルトを探さないと。
気配が多い方へと歩き出す。
‥気配、なんて 何故わかるのかもわからないまま。
「吐かぬなら 吐かせてみよう ナントやら、だ」
そして闇夜を駆け抜けた。
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