【キバside】
散歩の途中で赤丸が立ち止まった。
後ろを振り返り、さっきすれ違った男を気にしている。
すれ違いざまに見えたが、何処にでもいるような一般人だった。
どうかしたかと聞けば、「神様がいる」と言った。
神様だって?あほらしい…。
聞き違いと思い、先を急ごうかと思ったが赤丸は立ち止まったままだ。
仕方なく抱き上げて問う。
「あの男が神様だっていうのか?」
「そう。神様。神様、ナルトの知り合い」
「ナルトの?」
「うん!におい一緒」
男に興味がわいた。
ナルトのにおいがする大人なんて、イルカ先生や火影様くらいしか今までいなかったから。
なぜ男からナルトのにおいがしたのか、不思議でしかたなかった。
…話してみたら拍子抜けだったけど。
挙動不審で、ナルトと一緒に住んでいるという変なやつ。
赤丸が途中で「神様…変。間違った?」と自分で言ったことを疑い始めて警戒しだしてしまうほど。
まぁでも挙動不審な所を抜けば、男はやっぱり普通の大人だった。
いや、大人と言うには少し語弊があるかもしれない。
大人と子供の境界で、さまよってる感じ?
まだ若いんだよ。話してみると子供っぽいし。
‥まぁ、どっちでもとれるってことだ。
ナルトを探してると言っていたので、赤丸ににおいを追わせてつれてってやった。
この人は犬好きらしい。
犬好きに悪いヤツはいない。
だからきっとこのさんはいい人だ。
ナルトのいるすぐ側まで連れて行ってから、さんに別れを告げ帰路に着いた。
赤丸が神様!神様!ってうるさかったけど、俺は知らない。
だいたい神様って本当に神様なんだかどうだか…
忍犬の神様っていったら‥‥犬神様?はっ。やっぱわかんねぇ。
想像もつかねぇや。
「…明日ナルトに聞いてみよー」
「ナルト、神様しらない」
「神様じゃなくてさん個人のこと」
「、器。神様、寝てる」
「器?寝てる?なんだそりゃ」
この時、俺は知らなかった。
まだ幼すぎた。
俺が 人柱力 という言葉を知ったのは――‥
さんがいなくなって…
それからしばらくしてからのこと。
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