チョコボって、こんなにいたのか!?
チョコチョコ大冒険!
「なぁなぁアンジール!この記事見たかよ!!」
その姿を見つけるや否や、全速力で駆け寄り、バッ!っと視界いっぱいに新聞の一面を広げてやった。
【チョコボ大発生!】とどデカく書かれている見出し。
その隣にはおそらくはヘリから撮影したであろう、黄色の海が広がっている写真があった。
記事は最初の1行程度しか読んでないから詳しいことはわかんねえ。
けど、チョコボは普通、集団行動をしない生き物だから、この光景がおかしいということくらいはわかる。
「もしかしたらソルジャーとジェネシスの失踪事件と関係あるんじゃないか!?」
ワクワクしながら反応を待つ。
庶民の尊敬と羨望の的である彼の人。
もちろん、それは俺にだって同じことで、しかもアンジールは大先輩で、そんでもって俺の指導者でもある。
「…ザックス。それは1週間前の新聞だ。」
「えぇ!?嘘っだろ‥ってマジで日付が1週間前だ」
「それと」
ドカッ。
「っ痛」
「失踪事件については内密にしておけと言っただろう?」
アンジールが呆れたように言い放った。
そういえばそんなことも言われたな。と新聞の日付欄を見ながら思い返した。
彼の言葉通り、新聞の日付は今日からちょうど一週間前を示していた。
…これさっきソルジャー.2st仲間の奴にビックニュースだっ!つって教えてもらったばっかりだったのに。
「っ俺騙されたのかっ!」
「騙されたのではなく、からかわれたんだろうがな」
「…あいつ……くっそー!!」
ライバル意識を持つのは勝手だが、こういう嫌がらせは関心しない。
俺がウータイでの任務に抜擢されたからって、こんなことする必要なんてないだろうに。
仲間なんだからさ。
他人の足を引っ張って邪魔をするくらいなら、そいつと協力した方が早いし、いいに決まってんだろ?
「上手くいかねえよなー…一方では大量失踪して、他方では大量発生。
いっそのことチョコボが大量失踪して、ソルジャーが大量発生すりゃいいのに」
「…それはそれで問題だろう」
「でも、アンジールはこのニュース知ってたんだな」
「当たり前だ。あれだけの騒ぎになったのだから」
「あれだけのって…どれだけの?」
「………」
「あ。ごめん。今のなし!だからそんな目で見るのもなし!!なっ?」
ぱんっ!と顔の前で手を合わせて謝った。
アンジールがこれだけ呆れた顔をしたんだ。
きっとホントに大騒ぎになったんだろう…。
俺、そんなに世間に疎いのか…?
これを期に、新聞を読む習慣をつけたほうがいいかもな。
…なぁ〜んて。そんなことしたってきっと3日坊主になる自信があるからしないけど。
「‥準備が出来たのなら行くぞザックス」
「っりょ〜かい!」
新聞を丸め、大きな背中を追いかける。
まさかこの記事の中心人物?が、
後々関わってくるだなんて…
この時の俺は予想だにしていなかった。
Backl
【あとがき】
1st昇格するのってウータイ行ってからだ‥よね?汗
ゲームやったのだいぶ前だから思い出せないし、もう一回やり直すのもダルい…orz